第77回研究会

出典: SigDD

2010年8月31日 (火) 10:39時点における Ryoji.akimoto (会話 | 投稿記録) による版

目次

第77回デジタルドキュメント研究会・概要

主査:今村誠(三菱電機)

幹事:高橋慈子(ハーティネス)、秋元良仁(凸版印刷)、天笠俊之(筑波大学)、細見格(NEC)

日時:平成22年9月24日(金)

会場:筑波大学東京リエゾンオフィス 講義室1

■発表申込締切:平成22年7月21日(水)※ 締め切りました

■原稿提出締切:平成22年8月31日(火)必着


テーマ

「テクニカルコミュニケーションにおける品質評価と多言語化技術、および一般」

 組織活動のグローバル化に伴い、製品仕様説明文書や業務関連マニュアル、特許情報や関連技術文書等、様々なドキュメントの品質評価と多言語化対応が急務となっています。

 そこで、本研究会ではドキュメントを通じた情報伝達手法の1つであるテクニカルコミュニケーションをキーワードに、次のようなテーマに関する研究発表を幅広く募集します。

・ドキュメント作成における品質評価手法
・ドキュメント翻訳作業の効率化
・ドキュメントの多言語化技術
・ドキュメントの作成・管理・配信技術全般

 ドキュメントをコミュニケーションツールの1つと捉えた際に情報を的確に伝達するための品質をどう確保するのか、また言語の壁を超えて情報が効率的・効果的に伝達されるための最適な手法は何か、ドキュメントに関わる人材をどのように育成するのかなど、様々な視点で議論されることを期待しています。

 なお、本テーマに関わらず広くデジタルドキュメント一般に関する研究発表も同時に募集します。


※2009年度より研究発表会はペーパレスとなっております。公知日も開催日の1週間前(9月17日(金))となりますのでご注意ください。

ペーパーレス研究発表会の開催手順 & 良くある質問


プログラム

議題: テクニカルコミュニケーションにおける品質評価と多言語化技術、および一般

一般講演(発表25分+質疑応答10分)


<開催挨拶(11:00~11:05)>


●テクニカルコミュニケーションにおけるライティングスタイル変化の最新動向 (11:05~12:15)

座長:天笠俊之(筑波大学)

(1)テクニカルコミュニケーションにおける日本語スタイルガイドとライティングスタイルの変化

○雨宮 拓(JTCA(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会))
JTCAは、2009年7月に書籍「日本語スタイルガイド」を発行し、テクニカルコミュニケーターに限らず、一般的な実用文のライティングに有効な文章表現の指針を提示した。テクニカルコミュニケーション分野では、コンテクストの構築を重視するコンテクストライティング、独立性が高く部品としての再利用メリットが期待できる情報をトピックとして表現するトピックライティングなど、新しいライティング手法が提唱され始めている。


(2)スマートフォン・携帯・電子書籍端末は、取扱情報をどう変えるか?

○高橋慈子(ハーティネス)、大野邦夫(職業能力開発総合大学校)
iPad、Kindle、スマートフォンなど、書籍やコンテンツを表示するデバイスが多様化し、大きな注目を集めている。普及が広がるモバイルデバイスは、製品取扱情報をどのように変えていくのか? TCシンポジウム2010で行われたパネル討論をもとに、取扱情報とモバイルデバイスの動向と未来を考察する。海外および国内における市場、技術、コンテンツなどの最新動向や国内における具体的な製品・技術を例示しながら、さまざまな立場から議論された今後の取扱説明分野の技術、サービス、ビジネスの可能性について紹介・解説する。


<昼休み55分休憩>

●ドキュメントの品質評価技術 (13:10~14:55)

座長:高橋慈子(ハーティネス)

(3)家電製品マニュアルコーパスの構築とその利用

○佐野洋(東京外国語大学)、桑野裕康(パナソニック株式会社)
筆者等は,製品取扱説明書の言語表現の調査を進めている。調査では,説明表現としての正しさや,内容説明の正確さや分かりやすさを定量的に計測する手段,その手段に基づき計量されたポイントを手続き的に改善する方法を探っている。本稿では,製品取扱説明書コーパスの特徴及び作成の手順について概説し,製品取扱説明書の言語表現を,文の意味構造の観点から分析した結果について報告する。


(4)授業用教材スライドにおける「話の流れ」の解析と可視化について

○下園幸一(鹿児島大)、菅沼明(有明高専)
近年の大学等の授業では、PowerPoint等のスライドを用いて行われることが多くなってきている。このため学生が授業の内容を理解するためには、「スライドの質」が重要となっている。本稿では、受講生がどのようにスライドを理解するかという点に着目し,受講生からみたスライドの「話の流れ」の可視化を行う。この結果をスライド作成者に提示することにより,スライド作成者はスライドの修正に役立てることができる。


(5)シンプリファイド・ジャパニーズ 英訳を視野に入れて日本語を作る

○柳英夫(アクロリンクス株式会社)、○工藤真代(アクロリンクス株式会社)
グローバル経済が加速する中で、英語版ドキュメントは海外市場進出の要となる。しかし、多くのメーカー企業では、英語版ドキュメントの言語品質の低さに悩まされている。英語のネイティブライターが関与していないことも原因のひとつだが、それ以上に、英訳を視野に入れて日本語版ドキュメントが作られていないことが、その最大の原因である。この研究では、英訳しづらい日本語の表現パターンを洗い出し、そのような日本語表現を規制できるかを検証する。さらに、その結果、英訳(人間翻訳、機械翻訳)の品質、それにかかる時間とコストがどのように改善されるかについても定量的に評価する。


<10分休憩>

●ドキュメントの翻訳・多言語化技術 (15:05~16:50)

座長:

(6)ドキュメントの多言語化手法の動向

○鈴木章彦(SDLジャパン)
ローカリゼーションの比較的新しい潮流である、機械翻訳を利用したプロセスや、クラウドのようなバーチャルチームによるプロセスを紹介し、それぞれの利点や課題などを提起します。


(7)機械翻訳を用いた高精度な文章作成のための翻訳精度表示の影響

○宮部真衣(和歌山大)、吉野孝(和歌山大)
近年,機械翻訳の精度は向上しているものの,正確な翻訳結果を得ることは難しい.多言語間コミュニケーションや文書で用いられる文章の翻訳精度は,ユーザ間の相互理解に影響する.翻訳リペアを行うことで,ユーザは翻訳精度を向上することができる.しかし,翻訳リペアは,ユーザが文章の精度が低いと判断した段階で,初めて行われる作業であるため,ユーザの不正確な判定により,翻訳リペアの効果が得られない場合がある.この問題を解決するために,本稿では翻訳リペアにおける翻訳精度表示を提案する.翻訳自動評価手法を用いて精度を測定し,精度を%表示と5段階表示を組み合わせて表示する.翻訳精度表示を行うことによる,ユーザの不正確判定に対する効果を検証するために,テキスト修正実験を行った.


(8)多言語展開を考慮した英文ライティング

○中村哲三(YAMAGATA INTECH株式会社)
企業の「世界同時発売」のボトルネックともなるマニュアルの「ローカリゼーション=多言語展開」をスムーズにするためには、そのマスターとなる英語版マニュアルをわかりやすくする必要がある。英語版が誰にとってもわかりやすいものになれば、ローカリゼーションに要する時間が大幅に短縮されるからだ。「グローバルイングリッシュ」スタイルガイドを活用して「リンガフランカ=世界共通語」としての英文ライティングを検討する。


●意見交換会 (17:20~)

※研究会と別の場所となります(別途、参加費あり)。 詳細につきましては当日ご確認下さい。


問合せ先

E-mail: shigeko[AT]heartiness.co.jp
デジタルドキュメント研究会 幹事 高橋 慈子
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