第72回研究会

出典: SigDD

2009年11月8日 (日) 15:54時点における Imamura.Makoto (会話 | 投稿記録) による版
◆第72回デジタルドキュメント研究会=

主査: 今村 誠 (三菱電機)
幹事: 中挾 知延子 (東洋大学), 斎藤 伸雄 (凸版印刷), 細見 格 (NEC), 天笠俊之 (筑波大)

日 時:2007年 7月30日(木) 13:00 - 17:50
         2007年 7月31日(金) 09:00 - 16:30

会 場:

 秋田大学(手形キャンパス) ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL) 大セミナー室
 住所 〒010-8502 秋田市手形学園町1番1号
 交通案内 秋田駅からバスで10分,徒歩で駅東口から15分
  http://www.akita-u.ac.jp/vbl/

合同開催:
電子情報通信学会 ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)
 専門委員長  力宗 幸男 (兵庫県立大)
 副委員長  阿部 匡伸 (NTT)
 幹事  古隅 弘樹 (兵庫県立大), 小西 宏志 (NTT)
 幹事補佐  山元 規靖 (福岡工大)
電気学会 産業システム情報化研究会(IEE-IIS)
 委員長  橋本 洋志 (産業技術大学院大学)
 幹事  宮崎 泰三 (日立製作所), 鈴木 健嗣 (筑波大学)
 幹事補佐  新妻 実保子 (東京大学)

=趣 旨:=
IT技術のコモディティ化に伴い,企業情報システムに代表される企業内情報や,
wikipedia や人力検索に代表されるインターネット上での知識について,
共有・伝承・活用することの重要性がますます拡大してきています.
特に,熟練技術者の高齢化や退職に伴う組織内知識の喪失に対する危機感が
高まり,多くの企業では熟練者が持つ知識や技能を若手へと伝承するための
取り組みが急務になっています.
また GPS などの多様なセンシングデバイスの普及と低廉化に伴い,ライフ
ログを収集し得られる人の行動履歴から,知識やノウハウを獲得する研究も
盛んになりつつあります.
以上の背景に基づき,知識の共有・伝承・活用に関するシステム・技術に
関する研究発表を広く募集します.特に本テーマに関係の深い 3研究会合同で
研究会を開催することで,各研究会のメンバの交流と相互作用を図ります.

その他:※発表者の方が当日使用されたパワーポイント等を研究会報告として
DD研のHPにてPDFで後日公開させていただくことを予定しております.
趣意にご了承いただける方はよろしくお願い申し上げます.

◎1日目の研究会終了後,懇親会を予定していますので御参加ください.



議題: 知識の共有・伝承・活用に関するシステム・技術、一般

一般講演(30):発表 20 分 + 質疑応答 10 分


=■1日目 7月30日(木) 午後 知識の共有・伝承・活用1 (13:00~14:30)

(1)/IEE-IIS 13:00 - 13:30
関節間長と関節角度の診断機能を持つ人物画模写学習支援環境
○曽我真人(和歌山大)・福田貴久(アイレム)・瀧 寛和(和歌山大)

(2)/IEE-IIS 13:30 - 14:00
設計時に利用する物理的制約モデルの作成と管理
○後藤明広・長江雅史(三菱電機)・瀧 寛和(和歌山大)

(3)/LOIS 14:00 - 14:30
知識共有への抵抗感を低減する相互支援システムの実装および評価
○吉澤政洋・宮田辰彦(日立)

--- 休憩 ( 10分 ) ---

7月30日(木) 午後 知識の共有・伝承・活用2 (14:40~16:10)

(4) 14:40 - 15:10
ワークフローを用いた知識記述手法に関する研究
○稗方 和夫(東京大学大学院工学系研究科)・大和 裕幸(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
概要:
業務のワークフローおよび関連文書により知識を記述する手法および情報システム
ShareFastを開発している。製造業の設計業務および自治体の事務手続きのケース
スタディから提案手法の有効性を示す。

(5)/IEE-IIS 15:10 - 15:40
製品設計の生産性・品質向上のための設計レビュー事項の体系化と管理
○長江雅史・後藤明広(三菱電機)・瀧 寛和(和歌山大)

(6) 15:40 - 16:10
文書作成の要件:技術ガイド資料事例
溝口徹夫(法政大学)
概要:
多くの文書が作成されるが、その文書には必要とされる情報は漏れなく、盛り込
まれているであろうか。ソフトウェア開発での文書作成は、最終的には機械によ
る実行の形となるので、要件や設計判断が正しかったかどうか(文書としての形
の上で)判定される。一方、一般の文書についてはそのような要件の確認は読み
手が人間であることもあって必ずしも正確には行われないであろう。本報告で
は、対象とする作成文書を技術ガイドに絞り、関連情報として何が表現されれば
よいか、またその表現の妥当性を確認するにはどうすればよいかを、事例を通し
て検討する。


--- 休憩 ( 10分 ) ---

7月30日(木) 午後 多言語文書処理 (16:20~17:50)

(7) 16:20 - 16:50
統合漢字に申請された「殷周金文集成引得」図形文字の調査
○鈴木俊哉(広島大)
概要:
昨年、7年間の作業を経たCJK統合漢字拡張CがISO/IEC 10646:2003の
Amd. 5として正式に発表された。拡張Cははじめて原規格分離を適用
せずに整理された漢字集合である。
拡張Cへの中華人民共和国からの申請は辞典類から収集された漢字が
大半である。本発表では、その中で最大の収集元である「殷周金文
集成引得」に由来する1800字程度の図形集合について、典拠を再調査
した結果を報告する。
拡張Cの統合作業中に提出された典拠確認資料を見ると、この収集は
「殷周金文集成引得」の総画索引から、拡張Bまでで符号化済みと思わ
れるものを削って選定したと思われる。しかし、選定された漢字を
本文中で確認すると、総画索引には出現するが、釈文では使われて
いないものも少なくないため、それらを全て申請することの妥当性
には疑問がある。
また、金石学の分野では「古文字字形表」や「金文編」など過去に
いくつもの字書が出版されているが、「殷周金文集成引得」の特徴の
一つに、見出し字の大半を宋体(風の図形)にしている点がある。金文
字形に対する宋体(風の図形)が一意的に定まる、言い換えれば「殷周
金文集成引得」で導入された図形文字が(この字書の外部でも)金文
字形に対する識別子として機能するのであれば、他の金石学の字書類と
整合する筈である。そこで、代表的な金石学字書である「金文編」と
「殷周金文集成引得」の比較を行ない、この結果を報告する。
また、これらの結果を踏まえ、「殷周金文集成引得」典拠情報の
今後の管理方法について考察したい。

(8) 16:50 - 17:20
多言語による共同執筆および出版環境に関する一考察
○石野恵一郎(株式会社アンテナハウス)・山口琢(株式会社ジャストシステム)・小林龍生(ジャストシステムデジタル文化研究所)
概要:
This paper introduces an implementation of a multilingual,
collaborative document editing and publication environment. The purpose
is to provide a low bar for learning new editing techniques, but
keeping flexibility for e.g. creating various outputs and using various
data sources in the processing chain. The implementation described here
is project specific, but we will draw general conclusions hopefully of
use for similar efforts.

(9) 17:20 - 17:50
インターネット時代の日本語組版
○小林敏(日本エディタースクール)・小野沢賢三(日本印刷技術協会)・小林龍生(ジャストシステムデジタル文化研究所)
概要:
情報の伝達において,最も大切なことは伝える内容である.それとともに伝える際の形式,
スタイルも重要である.つまり,文字を用いた情報の伝達では,印刷又はモニタ上に表示
して行うが,その際の表示の体裁が問題になる.ところで,原稿及びレイアウトの指定に
従って,文字・図版・写真などを配置する作業を組版という(JIS Z 8125の定義)が,この
組版の技能については,従来は経験の中で身につけるものとして,明示的に示されてこな
かったきらいがある.今日の組版処理は,ほとんどが電子的な作業として行われているので,
組版の処理方法について明示的にする必要がある.
そこで,ここでは,なぜ組版を問題としないといけないのか,また,日本語の組版では,
どのような事項が課題としてあるのかについて検討してみることにする.また,組版の処理
方法についてまとめられた数少ないドキュメントとして,日本工業規格の“JIS X 4051
(日本語文書の組版方法)”とW3C Japanese Layout Task Forceによる“日本語組版処理の
要件”があり,これらの意義についてもふれる.なお,実際の組版処理では,文字や図版等を
配置する際のこまごとした事項が問題としてでてくるが,そうした細部については今回は取り
上げない.主に日本語組版ではどんなことが問題になるのかについて検討する.



■2日目 7月31日(金) 午前 知識・技能伝承のための身体動作記録技術 (09:00~10:30)

(10) 09:00 - 09:30
MPEG-7による身体動作アーカイブの構築
○湯川 崇(ノースアジア大学)・海賀 孝明(わらび座)・柴田 傑(秋田大学大学院)・三浦 武・玉本 英夫(秋田大学)
概要:
本研究では、モーションキャプチャを用いて記録した身体動作データのアーカイブ構築を目的
とする。身体動作アーカイブでは、MPEG-7により身体動作のメタデータを記述することで、
さまざまな種類のフォーマットの動作データを包括的に取り扱うことを可能にしている。
また、記録した身体動作の構造を記述し、アーカイブ中から必要とする動作を素早く検索可能に
する手法として舞踊符を提案する。MPEG-7のメタデータとして記述される舞踊符の記述モデルを
開発し、身体動作データアーカイブの構築を行う。最後に構築した身体動作データアーカイブを
使用するアプリケーションについて述べる。

(11) 09:30 - 10:00
手指用磁気式モーションキャプチャデータを用いた手指骨格構造モデル生成法の検討
○齋藤正親・水戸部一孝・鈴木雅史・吉村昇(秋田大学)

(12) 10:00 - 10:30
圧力同時計測型手指用モーションキャプチャ装置の開発と手指巧緻動作の計測
○水戸部 一孝,二階堂 勲,鈴木 雅史,吉村 昇(秋田大学工学資源学部)
概要:
高精度な磁気式三次元デジタイザと圧力センサを併用した圧力同時計測型手指用モーション
キャプチャ装置を
構築した.これを用いて,同形状で弾性の異なる二種類の容器を移動させるときの手指動作を
計測し,解析した.その結果,戦略の違いによる個人差および容器の弾性に応じて適切に把持
圧を調整している様子を定量的に示すことが可能となった.


--- 休憩 ( 10分 ) ---

7月31日(金) 午後 ライフインテリジェンス、デジタルドキュメント、一般1 (10:40~12:10)

(13) 10:40 - 11:10
モーションキャプチャデータ公開のためのFlashを利用した3Dビューアの開発
○海賀孝明(わらび座,秋田大学大学院)・松橋翔(秋田大学)・柴田傑(秋田大学大学院)・玉本英夫(秋田大学)
概要:
モーションキャプチャ(MoCap)は人の動きを計測するための重要な技術であ
り、近年、伝統芸能などの無形文化財における身体動作の記録・保存や解析のた
めに使われている。今まで、伝統芸能の記録はビデオなどの映像メディアにて行
われてきたが、MoCapでは3次元による記録ができることからデジタルアーカイブ
の有用な手段として利用されつつある。しかし、デジタルアーカイブとして
MoCapで記録されたデータをインターネット上へ公開、閲覧するとき、3次元での
再生表示が手軽にできないといった問題などがある。そこで本研究では、MoCap
で記録された身体動作のデータを、インターネット上で手軽に3次元表示再生可
能な3Dビューワの開発を試みる。

(14)/LOIS 11:10 - 11:40
閲覧サイズに適応するWebページレイアウト最適化法でのアクセス性改善
○磯貝 愛・舩曵信生・中西 透(岡山大)

(15)/LOIS 11:40 - 12:10
屋内におけるユーザとモノの同時位置推定
○石原達也・中村幸博・武藤伸洋・阿部匡伸(NTT)

--- 昼休み ( 60分 ) ---

7月31日(金) 午後 招待講演 (13:10~14:10)

(16) 13:10 - 14:10
(仮)民俗芸能伝承のためのデジタルコンテンツ制作技術
玉本英夫(秋田大学)

--- 休憩 ( 20分 ) ---

7月31日(金) 午後 ライフインテリジェンス、デジタルドキュメント、一般2 (14:30~16:30)

(17) 14:30 - 15:00
形態素解析を利用した文章校正手法の提案
○坂本 俊介・須藤 崇志・丸山 広・中村 太一(東京工科大学大学院)
概要:
技術文章力を高めるには,個別に添削指導を受けることが有効であるが,時間
的な制約により実現が難しい.この問題に対処するため,形態素解析結果に予め
定義した日本語文法と技術文章ルールを適応し,文章の修正箇所を指摘すること
で,文章作成者は客観的な見直しを繰り返し行うことができる文章の改善支援方
法を提案する.本稿では,提案手法により2,285遍の学生実験レポートから
140,214件の記述誤りを検出し,句読点および体言止めの指摘が79.4%を占めるこ
とから,これらの誤りを指導することが有効であることを述べる.

(18)/LOIS 15:00 - 15:30
e-Learning教材と手書きノートの照合における情報伝達に関する検討
○渡邊栄治(甲南大)

(19)/LOIS 15:30 - 16:00
携帯電話と2次元バーコードを用いたパスワード認証方式の検討
○山元規靖・若原俊彦(福岡工大)

(20)/LOIS 16:00 - 16:30
音楽嗜好の拡大を促すアーティスト推薦
○櫻井良伸(電通大)・藤村 考(NTT)



問合先:
電子情報通信学会 ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)
古隅 弘樹(兵庫県立大学 経済学部)
〒651-2197 兵庫県神戸市西区学園西町8-2-1
E-mail: furuzumi@econ.u-hyogo.ac.jp (@ を @ に変えてください。)

デジタルドキュメント研究会
鬼塚 真(NTT サイバースペース研 OSS コンピューティングプロジェクト)
〒239-0847 横須賀市 光の丘 1-1
TEL:046-859-4690, FAX:046-859-2768
E-Mail: onizuka.makoto@lab.ntt.co.jp (@ を @ に変えてください。)
個人用ツール