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コンピュータによる情報管理・処理技術の進歩に伴い、従来紙に書いた形で作成されてきた各種の文書が、現在では最初から機械処理の可能な「電子化文書(デジタル・ドキュメント)」として作成されることがごく普通に行われるようになった。それとともに、長らく紙の形で存在していた情報がデジタル化され、機械処理可能なデータベースとして再組織されることにより、各組織あるいは社会全体の共有知識として流通し活用される環境が整ってきた。さらに近年、インターネット、あるいはその上に組織されるWWWの発展に伴い、電子化文書のマルチメディア化、アーカイブ化が急激に進展し、インターネットを通じた検索、交換、閲覧、加工が容易になり、多くのビジネスを産み出す基礎となっている。 そしてここ数年はXMLを中心とした構造化文書技術が注目を集め、B2BやB2Cなどの情報流通、多様なメディアのメタデータ記述、Webサービスを始めとする多くの応用分野に適用される基盤技術として発展し、企業を中心として電子商取引、eラーニング、デジタル放送、コンテンツ配信等のサービスに広く活用されている。最近では特に携帯電話やデジタルTVなどの電子機器やRFIDや無線通信の普及に伴って、IT技術が個人に急速に浸透しつつあり、その結果個人がいつでもどこからでもSNSやブログ等を利用して情報を発信・共有することが可能になってきている。ここでも利用・注目されている技術はRSSやRDF、WebサービスなどのXMLに関する技術である。 平成8年度に発足したデジタルドキュメント研究会は、以上の背景を鑑み、また、これまで培った活動成果を踏まえ、今後も継続して文書情報を中心とした情報処理の各分野の横断的な研究活動を、実社会へのインパクトや実用性を重視した利用者の立場から行う研究会として、さらに活発な活動を継続したい。特にデジタルドキュメントのライフサイクルにおける発現(創生)・流通・利用を促進するという観点を中心として、1)文書の記述支援や自動生成、ビジュアライゼーションによる発想、共起による情報発信の促進、2)大量ドキュメントのアーカイブ技術、3)メタデータやオントロジーによる文書情報の利用促進、5)モバイル環境における情報表示の高度化による利便性の向上、に重点を置き、実用に資する応用技術と基盤研究に取り組む方針を今後2年間の活動の主軸としたい。
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